約３００年の歴史を持つ中山農村歌舞伎は、地域の人が役者から裏方まで全てを担う、春日神社への奉納歌舞伎である。地域の人々の絆を結ぶ豊かな自然と共に大切な地域資源として今も守られている。しかし、長い歴史を重ねるとともに、衣装やかつらも古くなり、損傷が激しいものがほとんどである。また、使える衣装が少ないうえに、限られた演目にしか使用することができないため、衣装等の更新を毎年行い、伝統を守り、地域を盛り上げ、次世代に中山農村歌舞伎をつなげていくことを目的とした事業である。

令和３年度も令和2年度と同様、新型コロナウイルス感染症により、中山春日神社奉納歌舞伎は、例年のようにお客様をお迎えして行うことができず、地元の関係者のみで神事を行い、舞を奉納しました。とても残念ではございますが、改めて300年以上もの間引き継がれてきたものであるという原点に立ち返ることができました。国指定重要有形民俗文化財である中山の舞台も令和４年度から改修が始まりました。中山農村歌舞伎保存会にとっては新しい転換点となる折に、助成金を頂き、新しい衣装を購入することができました。今後も、この素晴らしい文化を次の世代に引き継いでいくために、十分に活用させていただきます。ありがとうございました。