重症心身障がい児者は、コンサートなど静かであることを求められるイベントに参加することに困難を抱えている。突然大きな声を出してしまったり、興奮すると身振りが大きくなってしまったり、医療的ケアを必要とする方は淡の吸引や人工呼吸器等の使用で音が生じるため、家族（保護者、きょうだい）と一緒に演奏会に行きたくても「迷惑になるのでは」と思い、諦めがちである。平時から、このような外出における困難を抱えているが、新型感染症により外出を控えることで、さらに孤立する傾向にある。また、医療的ケアを要する重症心身障がい当事者にとっては感染時の重症化リスクも高く、命にかかわるため、感染を避け、外出を控える方も少なくない。コロナ禍においても孤立せずに、つながりを維持し、ひとときでもストレスや不安から解放される時間を持てるように、対象者が安心して参加できるコンサートを開催することとしたい。

この度は、「スマイルリボンふれあいコンサート」事業へのご支援をいただき、ありがとうございました。重い障がいを持つ子どもたちやご家族の皆さまより「『コンサート会場に行ってみたくても周りに迷惑をかけてしまうのではないか？』と諦めることが多かったので、誘ってもらってとても嬉しかった！」というお声をたくさんいただきました。感染拡大により、残念ながら当日は無観客での開催となってしまいましたが、参加希望をいただいていた子どもたち全員へブルーレイをプレゼントし、思いを共有することができました。地域の皆さまに向けても、このコンサートをきっかけに、重い障がいを持つ子どもたちが地域で生活をしている現状やスマイルリボンの活動や思いを広くお伝えすることができ、知っていただくきっかけの一つとなりました。これからも、障がいがあってもなくても、共に悩み、共に笑い、そして共に歩んでいけるよう活動をしていきたいと思います。